月経痛がひどくて受診なさる患者さんは多い でも、月経痛をがまんしてすごしている女性はもっと多い。鎮痛剤が効かないほどひどいかたは なにしろ受診をしてほしいです。ひどい月経痛の原因に、もし内膜症や筋腫があったとしたら、その病気は進行性です。
火事と似て、初期消火が大切なのです。病気が進行するまえに、抑え始める必要があるのです。
月経痛、内膜症の治療手段として低用量ピルがあります。このごろは、自分で調べて受診される方も増えてきました。日本のピル服用者は対象年齢の3%だといいます(日本家族計画協会しらべ)。もっと、使いこなす女性が増えて欲しい。
きょうの話ではありませんが...
高校性の娘さんを連れたおかあさん。月経痛がひどいため、ある診療所でピルを処方されたということで、当院へ相談にこられました。おかあさんは、自分と同年代(40-50歳)の周りの女性から「肝臓が悪くなる」 「高校生には処方されないのでは」 と言われて心配しています。
肝臓 ...それは薬物の代謝工場です。どの薬も、連用すると肝機能に異常がでてくることがあります。血圧の薬でも漢方でも。それで定期的に血液検査をします。異常がおこったら、早く気がつくことが大事です。どの薬にも、いえることです。ピルが特別ではありません。
高校生にピルはいけないか? ...WHOは初経から1年たてばピルをのんでもよいとしています。主な副作用は、静脈血栓症のリスクが増すことです。ところで、ピルをのむよりも静脈血栓症リスクが高まるのは妊娠です。さらに妊娠は、血栓症だけでなく、生命や健康に色々なリスクをあたえることです。
十数年前、「14歳の母」というテレビドラマがありました。14歳で母親になることを、いまの世の中はアリ(有り)としているわけです。14歳の母がアリなのに、15歳、16歳でピルをのむことがそんなにナシなのでしょうか??疑問に思います。
もちろん当院も、十代女性に低用量ピルを処方し、フォローしております。 院長 小栗明子
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